加藤シゲアキ「Burn.ーバーンー」
演出家として成功し子供の誕生を控え幸せの絶頂にいたレイジは、失っていた20年前の記憶を不慮の事故により取り戻す。
天才子役としてもてはやされていたレイジの現実はただの孤独な少年。突如現れ、いじめから救ってくれた魔法使いのようなホームレスと優しきドラッグクイーンと奇妙な関係を築くうちに冷めきった心は溶け始めるが、幸せな時は続かなかった……。
少年の成長を通して愛と家族の本質に迫るエンタメ青春小説!
読んだ本の備忘録といいながら、全然記録をつけれなくて自身の三日坊主っぷりも板についてるなぁと感じる今日この頃。
本屋で表紙が気に入り即購入を決めた一冊。「まぁ、カドフェス対象だったので外れることはないだろう」くらいの軽い気持ちで手に取ったが久々にここの存在を思い出させるような作品だった。
ストーリーはレイジとその周囲の人の20年前と現在について書かれているが、彼らをつなぎ、変えていくのはホームレスである徳さんだ。
渋谷の街を舞台に過去と現在を語りながら、20年前何が起きたのか、そのことが彼らにどのような影響を引き起こしたのか。
最後まで読み終わったとき、また最初から読みたくなる、そんな物語だ。
”魂、燃やせよ”